レモンバーム
シソ科コウスイハッカ属の多年草。
東地中海地方原産のハーブで、ミントの一種。
レモンバームの花にはよくミツバチが集まることから、ミツバチのギリシア語である”メリッサ”とも呼ばれている。また、日本ではセイヨウヤマハッカ、もしくはコウスイハッカといわれている。
最も古くから使われていた薬草のひとつで、16世紀に活躍した医学者で錬金術師だったパラケルススはこれを非常に尊重して「生命のエリキシル(Elixir=エリクサー、万能薬)」と呼んでいた。
栄養素としては、ビタミンCが特に豊富。栄養素よりも香り等の成分のほうが体にいい効果や効能をもたらしてくれることが多く、その成分は以下。
ポリフェノール(ロズマリン酸、コーヒー酸、クロロゲン酸)
タンニン
フラボノイド
など
精油成分は以下で、刺激作用よりも強壮作用を発揮し、心臓や神経系統・消化器系統および子宮を強壮にする効果がある。
また、気分を鎮静させて心を穏やかにし、抑うつ症を好転させたり、呼吸と脈拍を緩慢にして血圧を下げ、平滑筋の痙攣を静める力もある。
シトロネラール
シトラール
ゲラニアール
- 精神を安定させてリラックス効果
レモンバームに含まれる鎮静作用は、イライラ・緊張・パニックなどの状態になってしまった場合、気持ちを安定させて心身共にリラックスしやすい状態にしてくれる効能がある。その効能により神経からくる消化器系の不調(神経性胃炎、食欲不振、胃腸の機能障害など)に効果があるとされている。
- うつを抑え不眠症の改善
レモンバームの精油成分の効能には、抗うつ・抗不安作用がある。不安で気分的に落ち込んでしまっている時などに、気分を高揚させてくる効能がある。
- 自律神経失調による不調を改善
レモンバームに含まれる鎮静作用と抗うつ作用によってストレスが軽減され、自律神経失調による不調を改善してくれる。これにより動悸・不安・緊張・頭痛・めまい・耳鳴り・食欲異常などへの効能があるとされている。
- 食中毒や風邪の予防
レモンバームの効能には抗菌作用・抗ウイルス作用があるため、抗菌作用で体内の毒素を無効化して食中毒を防ぎ、抗ウイルス作用で風邪やインフルエンザや気管支炎など呼吸器感染症の予防にも有効とされている。
- 花粉症の諸症状を抑える
レモンバームにはロズマリン酸が含まれている。アレルギー症状は過剰に分泌されたヒスタミンによるものであり、ロズマリン酸がヒスタミンの分泌を制御する事で花粉症などのアレルギー症状を抑えてくれる効能がある。
- 抗酸化作用によるアンチエイジング効果
レモンバームに豊富に含まれたポリフェノールには、高い抗酸化作用があり、アンチエイジングや生活習慣病の予防に有効とされている。
- 整腸作用で消化を促進
レモンバームに含まれている苦味成分が、肝臓や胆嚢に作用して消化吸収を促進する効能がある。腸内のガス溜まりによるお腹の張りにも有効とされている。
- 冷え性の改善
レモンバームの効能には発汗作用もあるが、末梢血管を広げて身体中に血液を行き渡らせる働きもあるとされているので、冷え性の改善に有効とされている。
- ダイエット効果
レモンバームに含まれるロズマリン酸には、炭水化物が体内に蓄積しやすいブドウ糖に分解されるのを抑える働きがある。中性脂肪として体内に蓄積されやすいブドウ糖が減るので脂肪がつきにくくなりダイエット効果が期待できる。
- 更年期障害や月経前症候群の改善
レモンバームには、ホルモンバランスを調整する作用をもつβ-カリオフィレンが含まれている。ホルモンバランスの乱れから起こる女性特有の症状である、更年期障害や月経前症候群のトラブルにも有効であると言われている。
他にもレモンバームの効能には、アルツハイマー型認知症の改善効果やパーキンソン病予防効果、甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)を和らげる効果、放射線の害から身を守る効果を持つ可能性が報告され引き続き研究されている。
==参考文献==
https://taberugo.net/684
https://shufuse.com/356
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